かっちゃんの日記

 -見て、聴いて、楽しかったこと、嬉しかったことの覚え書きです

2016年4月 国立能楽堂 普及公演|横座・百万 、狂言の会|二人大名・鱸包丁・武悪

国立能楽堂 四月 普及公演(2016年4月9日)
・解説・能楽案内|南都の女曲舞舞い 天野文雄(約30分)
狂言大蔵流】|横座(約25分)※終了後、休憩20分
・能【宝生】|百万(約70分)

国立能楽堂 四月 狂言の会(2016年4月22日)
狂言【和泉】|二人大名(約25分)
狂言【大蔵】|鱸包丁(約30分)※終了後、休憩20分
狂言【和泉】|武悪(約50分)

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国立能楽堂の案内ちらしをお借りしました。
 金紅段枝垂桜尾長鳥模様唐織(江戸時代・十八世紀・国立能楽堂蔵)

5月と順番が前後してしまいました。短めのメモをば。
「百万」はシテの声がころころとまろやかで角がなくてなんて心地良いのか。
次々に繰り広げられる舞いが見せ場ではあるけれど、お母さんが子を思う気持ちにぐっときて、早く名乗り出てあげてほしい・・とちょっと思ったりします。

<公式サイトへのリンク>
国立能楽堂 2016年 4月普及公演 横座・百万

国立能楽堂 2016年 4月狂言の会 二人大名・鱸包丁・武悪

 

2016年5月 国立劇場 文楽公演|絵本太功記

国立劇場 第一九五回文楽公演 平成二十八年五月より(5月11日~23日)

・絵本太功記(2016年5月11日)
 本能寺の段・妙心寺の段〈約1時間30分〉※終了後休憩30分
 夕顔棚の段、尼ヶ崎の段〈約1時間40分〉

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国立劇場の案内ちらしをお借りしました
 左・右「絵本太功記」武智光秀(いずれも撮影:青木信二)

 

今回は初日の鑑賞となりました。平日だったので、会社からダッシュで国立劇場に向い、間に合うか?!という状況でしたが、そうとう素早かったらしく、上演前の三番叟にも間に合いました。でも、きれいな格好をしてはる人々に混じって、肩で息をしてヨレヨレだったので、次回は余裕をもって到着できるように段取るぞ。

絵本太功記は、夕顔棚の段/尼崎の段だけが上演されることが多いですが、今回上演された前段の本能寺の段/妙心寺の段から聴くことで、特に、主君である尾田春長(史実では織田信長)を裏切った、武智光秀(史実では明智光秀)の母・さつきの行動や心情の理解や受けとめ方、そしてじーんとする感情が深まります。

さつきは2月の京都公演で鑑賞したときと同じく吉田玉也さん。年老いた母親なので、全体的にゆっくりした動きなのですが、時に、はっとするほど毅然とした意志の強さを感じました。

<メモ>
国立劇場文楽公演はチケットを取るのがものすごく難しくなってきました。今回も完売した後に、毎晩、粘り強くWEBサイトを見ていたら、空席が出ていて幸運にも取ることができました。業界的に(?)、どういう仕組みになっているのかわかりませんが、毎回、戻りは出ているようなので頑張ろう。おーっ。

<公式サイトへのリンク>国立劇場 2016年 5月文楽公演 ※リンク切れ・確認中

2016年5月 国立能楽堂 普及公演|樋の酒・鉄輪

国立能楽堂 五月 普及公演(2016年5月14日)
・解説・能楽あんない|京都から読み解く「鉄輪」の世界 浅見和彦(約30分)
狂言大蔵流】|樋の酒(約20分)※終了後、休憩20分
・能【金春流】|鉄輪(約65分)

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国立能楽堂の案内ちらしをお借りしました。
 白地丁子立湧桐唐松模様単狩衣(江戸時代・十八~十九世紀・国立能楽堂蔵)


樋の酒は、難しいことは何もなしに楽しめました。
橋掛りに次郎冠者(酒蔵に閉じ込められている)、舞台に太郎冠者(軽物蔵に閉じ込められている)、その間に雨樋を渡して、お酒をやり取りし、実に美味そうに飲んで、だんだんと、ご機嫌さんに。

鉄輪(かなわ)の舞台は京都。夫に裏切られた女が、下京から、糺の森、御菩薩池(深泥池)を経て、貴船神社へ刻参りに通います。冒頭の浅見氏の能楽あんないで、詞章に出てくる京都の場所の説明があり、その場所の特徴、地図、距離感などを頭に入れながら観るとより理解が深まることを話されました。

今回、途中でふと、太鼓のトントントンという連続する音が、話の先を少しずつたぐり寄せているように感じることがありました。(笛は話を切り開いていくような感じですが)ずっと緊迫した曲なのでそう感じたのかもしれませんが、私にとって新しい感覚でした。

<公式サイトへのリンク>
国立能楽堂 2016年 5月普及公演 樋の酒・鉄輪

2016年3月 文楽 京都公演|絵本太功記・日高川入相花王

文楽 平成28年3月 京都公演  
 京都府立文化芸術会館(2016年3月21日・Aプログラム)

・解説(あらすじを中心に)
・絵本太功記|夕顔棚の段、尼ヶ崎の段
日高川入相花王|渡し場の段

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京都府立文化芸術会館の案内ちらしをお借りしました。

久しぶりに京都で文楽を観ました。
一緒に行った人に、今回の演目のあらすじや登場人物がわかる資料を予め送ったら、しっかり読んできてくれて「途中で話を見失うことなく、ずっと集中して、人形の動きを楽しんだり、語りや三味線をじっくり聴けたので、すごく面白かった!」と言うてくれはって嬉しかったな~。

地方公演は、わかりやすい演目が上演され、冒頭に解説もありますが、文楽は現代の言葉ではないので、語りを耳から聴くことだけで、話の流れを理解するのはなかなか難しいと思います。話が追えなくなって十分に楽しめないのはとても残念です。

特に文楽では「〇〇とは仮の姿で実は△△だった」といった話も多いです。観る前にそれを知ったら面白さが減るかもしれないけれど、その「実は」の部分を語りから読み取ることができず、観ているときに「はうっ?!」となって、そのまま話を見失うよりは、予め話を頭に入れておいた方が楽しめるのではと思っています。玄人さんは出会い頭で楽しまれるのだと思いますが、私はまだまだその域には達せず!

まだ見たことのない演目も多く、図書館の本や演目を解説しているWEBで予習したり、そんな時間がないときは会場に早めに行ってプログラムを購入してじっくり読んだり、上演中は床本や字幕も参考にしながら目いっぱい楽しむぞー。

※今回はぴあでチケットを購入しました。数年前は劇場に電話で申し込みましたが、とても丁寧に対応していただいたのを覚えています。

2016年3月 国立能楽堂 普及公演|空腕・田村

国立能楽堂 三月 普及公演(2016年3月12日)
・解説・能楽案内|春の「勝修羅」-「田村」と清水寺縁起 田中貴子(約30分)
狂言大蔵流】|空腕(約40分)※終了後、休憩20分
・能【喜多流】|田村(約90分)

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国立能楽堂の案内ちらしをお借りしました。
 納戸地破七宝繋唐花模様長絹(十九~二十世紀・国立能楽堂蔵)

空腕は、くすくす声に出したり、お腹の中でこらえたりしながら、ずっと顔が笑ってたなー。太郎冠者が淀に向かう道中も(実は主人が見てる)、その時のことを盛りに盛って主人に伝える様子も可笑しかったです。

この話に限らず、狂言で太郎冠者が主人から用事を命じられたときに、「えーーっ、それはちょっとーー」と思たことを隠さず表現するのが好きです。なんともええ主従関係やなと思います。

田村は、前場で桜の美しさが謡われ、童子が舞う場面がいちばん好きでした。少しはかなげでとても優しい。今回も京都の地主神社をはじめ、自分にとって身近な場所がたくさん出てきましたが、能の舞台になっていることを初めて知ることがまだまだ多いです。今度、その場所を訪れるときの楽しみができるのも嬉しいことの1つです。

<公式サイトへのリンク>
国立能楽堂 2016年 3月普及公演 空腕・田村

2016年3月 村上隆のスーパーフラット・コレクション

村上隆スーパーフラット・コレクション -蕭白魯山人からキーファーまで-
 2016年1月30日~4月3日 横浜美術館

村上隆さんのコレクションの展覧会です。5,000点を超えるコレクションのごく一部が今回は展示されています。『村上隆の脳内世界』と題し、さまざまな時代、カテゴリー、国が混じり合った、圧倒的な物量のコレクションが展示されたスペースや、日本を中心とした古代から近代の陶芸や絵画を、あるいは国内外を問わず1950年から現在までの作品を時系列で整然と展示するスペースなどで構成されていました。

村上隆さんは、アーティストであり、アートの世界のプロであり、アートやその価値を、考え抜いて、身を投じて、実践してはる人なんやと改めて思いました。「アート」もそうですが、「アーティスト」ってどういう人なんやろうということをすごく考える機会になりました。
作品1つ1つは楽しみながら見ることもできるけれど、このコレクションが実践の結果であり、これが村上隆さんの一部となっていると思うと、凄みを感じて、緊張することもあった展覧会でした。私にしては珍しくカタログを予約しました。正座して見るかもしれません。

村上隆の脳内世界】より

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【1950-2015】より

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【彫刻の庭】より 李禹煥《Relatum-Excavation》

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※こういった作品のコレクションってどうやって展示するんだろうと思っていたら、展覧会の公式サイトで、李さんが横浜美術館にて創作中の動画を発見!

<公式サイトへのリンク>
村上隆のスーパーフラット・コレクション ―蕭白、魯山人からキーファーまで― | 横浜美術館

2016年3月 村上隆の五百羅漢図展

村上隆の五百羅漢図展  2015年10月31日~ 2016年3月6日 森美術館

五百羅漢図は、四神(青竜、白虎、朱雀、玄武)の名前が付いた4面で構成されています。高さは3m、全長は100m。美大の学生さんを募り、200人以上のスタッフで一気に完成させたそうです。

絵の前に立つと、まずその大きさに少しの間ポカーンとし、絵から発せられるエネルギーに圧倒されましたが、じっくり羅漢さんを見ていると、この人らと頑張っていけそうという不思議に良い気持ちになりました。

私がいちばんええな~と思ったのは『青竜』。(写真は一部)

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この二人の羅漢さんは何してはるんやろう。
絵全体のエネルギーもあるけど、この羅漢さんのような波動があちこちから出てる気がしました。

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こちらは『朱雀』の一部。

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のびやかに動いてはる羅漢さんに特に目が留まりました。敬う対象なんやけど、現代を一緒に生きている身近な羅漢さん。またいつかどこかでお会いしたいです。

<公式サイトへのリンク>
村上隆の五百羅漢図展  森美術館