かっちゃんの日記

 -見て、聴いて、楽しかったこと、嬉しかったことの覚え書きです

2月 国立劇場 文楽公演|平家女護島

国立劇場 第一九八回文楽公演 平成二十九年二月より(2月4日~20日)

近松名作集
<第一部>
近松門左衛門=作
 平家女護島
 六波羅の段〈約35分〉※終了後、休憩30分
 鬼界が島の段〈約1時間5分〉※終了後、休憩10分
 舟路の道行より敷名の浦の段〈約34分〉

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国立劇場の案内ちらしをお借りしました
 左「平家女護島」俊寛僧都、右「冥途の飛脚」梅川(いずれも撮影:青木信二)

 

2月の文楽国立劇場開場50周年記念の公演で「近松名作集」と銘打たれ、第一部が平家女護島、第二部が曾根崎心中、第三部が冥途の飛脚という演目でした。今回は、このうち、第一部の平家女護島に行ってきました。2017年最初の文楽です。嬉しい!

六波羅の段>平清盛が栄華を極めていた頃、平家を滅亡させようとした鹿ケ谷の陰謀の罪で、俊寛僧都、平判官康頼、丹波少将成経が鬼界が島に流されます。清盛の屋敷である六波羅に残された俊寛の妻あづまやは、清盛から誘われますが、夫に操を立てて誘いを断り自害します。それを知った俊寛に仕える有王丸が六波羅に討ち入りますが、能登守教経に、ここで命を落とすのではなく、主人の俊寛のことを考えろと言われ立ち去ります。

<鬼界が島の段>鬼界が島での俊寛の様相は3年にも及ぶ孤島での厳しい暮らしぶりをうかがわせますが、再会した康頼から、成経が千鳥という漁師の娘と恋仲になったことを告げられ、皆でささやかな祝言をあげます。

そこへ使者の瀬尾太郎兼康と丹左衛門基康を乗せた都からの赦免船が着き、康頼と成経は赦免、俊寛は能登守教経の計らいで備前の国まで戻れることになったと告げます。しかし成経と夫婦になった千鳥が一緒に船に乗ることを瀬尾に拒まれます。千鳥の「武士は、もののあはれ知るというは偽りよ、虚言よ。鬼界が島に鬼はなく、鬼は都にありけるぞや」から続くクドキがいじらしくて泣きそうになります。千鳥ちゃんの言う通りや。

さらに瀬尾はあづまやが自害したことを明かし、それを聞いた俊寛は落胆して、自分は島に残るので千鳥を乗せてやってほしいと頼みます。瀬尾はそれも拒んだため、俊寛は瀬尾を切り殺して、丹左衛門に千鳥を船に乗せるように頼みます。そして康頼、成経、千鳥を乗せた船は鬼界が島を離れ、俊寛はつまづき、転びながら、岸壁にかけ登って遠ざかる船をいつまでも見送ります。

<舟路の道行より敷名の浦の段>その後、船は敷名の浦に到着、そこで有王丸が待っていましたが、俊寛が乗っていないことがわかり、落胆して自害しようとしたところを千鳥に止められます。そして、清盛と後白河法皇が乗る御座船が敷名の浦に立ち寄ることがわかり、丹左衛門は怪しまれないように千鳥を船から降ろして有王丸に預けます。

法皇が源氏に加担することを恐れた清盛は、法皇を海に投げ込みますが、千鳥が法皇を助けて有王丸に託します。これに怒った清盛は千鳥を殺しますが、千鳥の怨念が清盛の頭に取り付いて清盛は都に逃げ帰ります。

つらい、つらいお話です。心がキューッと苦しくなる場面もありました。
一人島に残ることを決めた俊寛。あづまやはもうこの世にいない。
「アアこれ、我この島に留まれば、五穀に離れし餓鬼道に、今現在の修羅道、硫黄の燃ゆるは地獄道三悪道をこの世で果たし、後生を助けてくれぬか。俊寛が乗るは弘誓の船、浮世の船には望みなし。サア乗ってくれ、早や乗れ」

鬼界が島から船が出発するときに、千鳥が船から精一杯身を乗り出して、一生懸命に俊寛に手を振るのですが、もうそのしぐさが、いじらしくて、せつなくてぐっときました。(鬼界の島の段の千鳥は蓑助さんでした)
「名残惜しや、さらばや」「互いに未来で未来で」

<メモ>
私が行った日は、国立劇場の前庭の梅が咲き始めていた頃で、紅と白のかわいらしい花を楽しむことができました。全部で6種類の梅が植えられているそうです。すぐそこまで春が近づいてきましたね~。

<公式サイトへのリンク>
国立劇場 2017年2月文楽公演