かっちゃんの日記

 -見て、聴いて、楽しかったこと、嬉しかったことの覚え書きです

2018年9月 ことばをながめる、ことばとあるく——詩と歌のある風景|太田市美術館・図書館

◆ことばをながめる、ことばとあるく 詩と歌のある風景
 2018年8月7日〜2018年10月21日
 太田市美術館・図書館

 

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今年の夏は本当に暑かったです!ひっそりと過ごしていたので久しぶりの日記です。

東京から少し足をのばして、群馬県太田市美術館・図書館の展覧会に行ってきました。建築の設計は平田晃久さん、ロゴマーク・サイン計画は平野篤史さんで、建物の見学もとても楽しみにしていました。太田駅北口のロータリー周辺は人もお店も少なくさっぱりしているのですが、駅のすぐ目の前にあるこの美術館・図書館は学生さんや子供たちでにぎわっていて、ポッと灯りがともっているようでした。コンパクトな施設ですが、小さな街のようで、入口がいくつもあって、好きなところからアクセスできるようになっています。まず屋上のテラスでボーッとクールダウンしてから、図書館に入って、本を読むのも良さそうだな~。その逆も良いな~。1Fに入っている「キタノスミスコーヒー」でいただいたコーヒーも美味しかったです。

そして、美術館と図書館が一体になった施設ということで、美術館では「本と美術の展覧会」というオリジナルの企画展を開催されています。今回はその第2弾で、テーマは詩と歌(短歌)。3つの展示空間で構成されていました。

◆1.詩とグラフィック
ここでは詩人の最果タヒさんの詩を、グラッフィックデザイナーの佐々木俊さん、祖父江慎さん、服部一成さんがそれぞれ異なる手法で表現されています。

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まだまだ会期があるので1枚だけ写真を掲載します。
上の写真で、バス停の時刻表のような看板に詩が表現されている作品が佐々木俊さんです。「詩の標識、あるいは看板(プリズム)」のように詩のタイトルが添えられた題名で会場のあちこちに置かれています。次に絵画のようにフレームに入り、グラフィックの中で詩がさらさらと流れるように表現されている作品が服部一成さんです。そして手前の壁の端っこで紙が床にずり落ちたような作品と、奥の壁に大きく詩が表現されている作品が祖父江慎さんです。奥の壁にある大きく書かれた詩は、この写真の角度ではなくて、入口から細い順路を通っていく突き当りに、上へ上へと見上げるように現れます。(佐々木さんは9作品、服部さんは5作品、祖父江さんは会場内に隙あらばと15作品もが展示されています)
この空間に自分の体を置いていると、言葉の流れやリズムを感じ、言葉・文字・音の関係について思いをめぐらせ、音になって平面からふよふよと飛び出してきている言葉と対峙したりなんかもして、言葉の面白さを浴びるように感じました。楽しい~!

◆[2.詩と絵画]では、菅啓次郎さんの詩と佐々木愛さんの絵の合作が展示されていました。「Walking」というプロジェクトを行っておられて、お二人が各地を歩くことで生み出された合作だそうです。(太田のまちを散策するイベントも開催されるそうです。楽しそう!)

◆[3.短歌とイラストレーション]では、小さな部屋の中で、惣田紗希さんの太田の風景を壁いっぱいに描いた絵と、明治生まれの太田市出身の大槻三好さん・松枝さん夫妻の短歌が組み合わされて展示されていました。美術館でご当地の作家さんの作品を展示しているのはよく見ますが、現代の作家とのコラボレーションはあまり見たことがなく、面白い試みだな~と思いました。

全体の展示スペースはそれほど広くありませんが、じっくりと時間をかけて味わうことができる展覧会でした。私もそうなのですが、詩があまり身近でない人や、少し難しそうだなと思っている人でも、色々な楽しみ方ができると思います。また頭の中に言葉が文字や音で入ってくる感覚に何かしらの変化が起こったり、最近なんとなく本が読めないという人にも刺激になったりするかも?かもかも?建築や図書館の見学も楽しいので、ぜひ行ってみてください。
※展示会場1は撮影OKで、2と3は撮影できません。
※展覧会の図録は9月の中旬に全国の書店でも販売されるそうです。

<メモ>
浅草-太田までは東武鉄道の特急りょうもうで約1時間半。
車中のお弁当を買うなら東武線と直結している松屋浅草の地下が便利です(お店の数は少なめでちょっとレトロな雰囲気)
私は崎陽軒の「秋のかながわ味わい弁当」を購入しました。東京から群馬に行くのに何でかながわやねんと思いつつも、小田原かまぼこ、三崎産マグロの生姜煮、そして崎陽軒のシウマイなど、神奈川ゆかりの色々なおかずが入って満足!車窓と弁当を堪能しました。 

<公式サイトへのリンク>
本と美術の展覧会vol.2「ことばをながめる、ことばとあるく——詩と歌のある風景」
(太田市美術館・図書館)