かっちゃんの日記

 -見て、聴いて、楽しかったこと、嬉しかったことの覚え書きです

2017年1月 国立能楽堂 普及公演|寝音曲・巻絹

国立能楽堂 一月 普及公演(2017年1月14日)
・解説・能楽あんない|和歌の徳と神がかりの巫女 梅内美華子(約30分)
狂言和泉流】|寝音曲(約25分)※終了後、休憩20分
・能【金剛流】|巻絹(約75分)

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国立能楽堂の案内ちらしをお借りしました。
 白地七宝繋唐松檜扇模様唐織(江戸時代・十八~十九世紀・国立能楽堂蔵)

 

体調も復活して、2017年最初の観劇です。ありがたい!嬉しい!

狂言の「寝音曲」は、太郎冠者が謡が上手なことを知った主人が、太郎冠者に謡わせようとするのですが、気が進まない太郎冠者は、酒が飲めないと謡えない、嫁の膝枕で寝ていないと謡えないと、なんとかかわそうとします。結局、酒も膝枕(主人のですが)も用意されてしまい、仕方なく寝ながら謡うのですが、主人は「本当は座っていても、立っていても謡えるんじゃないの?」とあれやこれやと促します。起こされるとわざと声をかすれさせて、しのぐのですが、何度も繰り返すうちに、うっかり間違えたのか、意外に興に乗ってきたのか、立ち上がって、しかも舞いながら見事に謡い上げ、「ほれ、やっぱり謡えるやん!」
どうやってこんな話を思いつくんやろか。楽しく初笑いできました!

続いて「巻絹」の舞台は冬梅が咲く頃の熊野三山です。天皇の命を受けた臣下の指示で、都から熊野大社へ奉納する巻絹を運ぶ男が、途中で音無天神に立ち寄り、心の中で和歌を詠み捧げます。そのことで熊野大社への到着が遅れたため、臣下に縄で縛られてしまうのですが、そこへ音無天神が憑依した巫女が現れて、男の徳を語り、縄を解くように言います。
男が和歌を詠んだ証拠を示すために、まず男が上の句「音無にかつ咲き初むる梅の花」と詠み、巫女が下の句「匂はざりせば誰か知るべき」と続けたところ、臣下は男の縄を解き、巫女に祝詞をあげるように告げます。巫女は神楽を舞い上げ、やがて憑依した音無天神は去っていくというお話です。
終盤の神楽は高揚感があり心地良くなりました。静の心地良さというよりは、動の心地良さといった感じでしょうか。もう少し長く続いたら、客席から一緒に舞う人が出てくるのではなかろうかと思いました。

<メモ>
国立能楽堂の1月のちらしは、「白地七宝繋唐松檜扇模様唐織」がモチーフとなっています。さまざまな色の唐松が重ねられているのですが、その色の組合せ方がとても好きです。(特に薄い色の重ね方が可憐です)ちらしに掲載された唐織の企画展をしてほしいなー。

<公式サイトへのリンク>
2017年1月普及公演 寝音曲・巻絹